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163-参-北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会-閉1号 2005年11月24日
○末松信介君
自民党の末松信介です。景山委員の後を受けまして、二十分程度質問させていただきます。
十一月の三日、四日から日朝の政府間協議と、十一月九日、十一月十一日まで三日間、第五回の六者会合が開催されたわけであります。今、景山委員から話がありましたように、初日は、十一月三日、七時間の会議に及んだと伺っております。
それで、拉致問題でなかなか北朝鮮が交渉に応じないということで、核、ミサイル、過去の清算も含めた包括的な話合いを行ったというように聞かされているわけでありますけれども、今日までの外交努力につきましては関係大臣にも敬意を表しますし、特に国民の目に露出されています佐々江局長さんや齋木審議官には、国民の期待が大きいだけに、実務者ということが大きいだけに心よりの敬意を表したいと存じます。
そこで、お尋ねを申し上げたいのは、核問題で北朝鮮側が段階的な核廃棄を提案しながら事実上時間稼ぎを行っているんではないかということが考えられるわけであります。先般、我が党の拉致対策の本部でも同様の意見がたくさん述べられたわけでございます。こうした中、この十月に米国の元国連大使でありますリチャードソン・ニューメキシコ州知事に対して、北朝鮮が核爆弾二、三個を完成と、核再処理の完成を言明したという報道がなされました。これまで北朝鮮は少なくとも八個程度の兵器級プルトニウムを保有しております、そういった分析がなされているんですけれども、今回の再処理が完成したとすれば、少なくとも核兵器十四個程度これ保有がなされたということが考えられるわけなんですけれども、二〇〇二年に核問題の、この開発問題が発覚して北朝鮮が核爆弾の保有数について言及したのは初めてであります。
そこで防衛庁に、現在の北朝鮮の核開発の状況についてどのように分析しているのかということをお伺いしたいと思うんです。今年四月に大野前防衛庁長官も大まかなところのお話がありましたけれども、あれからもう七か月たっておりますので、その点御答弁をいただきたいと思います。
そして麻生大臣には、どうして北朝鮮がこのタイミングでこういったことを言明したのかということ、その点についてのお考えをお伺いしたいと思うんです。軽水炉の提供であるとか交渉を優位に進めたいとかいろんなことがあると思うんですけれども、率直な大臣の見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(大古和雄君)
お尋ねの北朝鮮の核兵器計画の現状でございますけれども、いろいろ様々な指摘がなされているところでございますけれども、北朝鮮が極めて閉鎖的な体制を取っておるということもございまして、断定的なことを申し上げられない状況にあることで御理解いただきたいと思います。
一方、一連の北朝鮮の言動を考えますと、既に核兵器計画が相当に進んでいる可能性を排除することはできないというふうに認識しております。
○国務大臣(麻生太郎君)
このリチャードソン、今ニューメキシコの知事ですかね、今。あれの話が今言われましたけれども、基本的にはいわゆる最終確認が明確にできているわけではないということなんだと思いますけれども、私どもとしては、この核の保有に関しては強い不信というか懸念を持っておるんですけれども、政府として今、兵器化し得るプルトニウムというものの相当量を保有していることも確かだろうと思われますし、核兵器を保有している可能性はあると、私どももそう思っております。
しかし、北朝鮮の核開発の現状につきましては、今防衛庁からの答弁があっておりましたように確定的な結論というものに至っているわけではありません。それから、今のリチャードソンは十月に行っておりますが、その後、十月二十、二十一日、来日をしております。そのときに私どもの次官と会談をしておりますが、今のような二、三個保有というような発言は、その私どもの次官との間での会話の中には出てきていないということも確かであります。
いずれにいたしましても、情報収集ということに関しましては、正確に北朝鮮側の発言については言及はありませんでしたので、私どもとしては、この問題は、これはあるぞあるぞというのが一番、脅されるのはかなわぬところでもありますので、そういったところでは、これは引き続きこの問題は大事な問題であろうということは、拉致同様これは極めて大きな問題でありますので、私どもにとりましては積極的に取り組んでいかねばならぬ問題だと思っております。
○末松信介君
大臣の御答弁あったように、あるぞあるぞというのがやっぱり一番、相手がはっきり分からないだけにこちらも打つ手がないということで難しいと思うんですけれども、どうも新聞なり、いろんな評論家の方々の話や脱北者からのいろんなお話などを伺っていきますと、やっぱり持っているんじゃないかという、ほとんどの国民がそのように理解し始めていると。ほうっておけばどんどん数が増えていく、北朝鮮はどんどん交渉力を高めていくと。日本はどうなるかといったら、一層これは負担が増えてくるということになってくると。
アメリカももちろんそれは困るんですけれども、アメリカの場合は、これはもう完全に拡散が嫌であるということが、これが一番だと思うんですね。そういう点で是非、核兵器というものにつきまして国外に絶対に持ち出させないということが一つ大事だと思うんですよ、日本政府としては。それと、ミサイルは絶対撃たさないということと、もう一つは、やはりこれは核実験、絶対行わさないということが一番、これは最低限一番大事なことになってこようかと思いますんで、その点、十分ありとあらゆるルートを通じての外交を展開していただきたいと、私どもはそのように思うんですけれども。
いずれにしても、日朝平壌宣言においても、核に関しては国際、批准を遵守するという、このことを言っておりますんで、実際、まあ核を使ったり拡散した場合にはこれは北朝鮮の自滅を指しますんでそういうことは起きないと思うんですけれども、どうか毅然とした態度で臨んでいただきたいということを要望申し上げたいと思います。
その次は、経済制裁措置発動の具体的な検討についてお尋ねをしたいんですけれども。
さきの日朝政府間協議で提案した並行協議方式について現在回答を待っているところでありますけれども、しかし、今回の政府間協議においても残念ながら拉致問題の真相究明について成果が得られなかった、また核問題についても先ほど申し上げたように時間稼ぎを行っている懸念があると。
今回の協議の中で、核問題の進展がなければ日本政府として厳しい対応を決断することの旨、改めて伝えたことであります。今後、北朝鮮側が日朝政府間対話で拉致問題の真相究明、拉致問題の解決に不誠実極まりない態度に終始するようであれば、例えば万景峰号を念頭に置いた特定船舶入港禁止法の発動について具体的な検討に着手すべき時期が到来しているのではないかと、私はそのように思うんですけれども、安倍長官並びに麻生外務大臣の見解を伺います。
○国務大臣(安倍晋三君)
先般、約一年ぶりに日朝の実務者の協議、政府間の協議が行われたわけであります。今委員が御指摘されましたように、しっかりとしたこの拉致問題について対応がなければ日本として厳しい対応を取ると、政府として厳しい対応を取るという旨、そういう意味では初めて政府としてそういう対応を取るということを先方に伝えたと、このように思います。
今回の協議におきまして、生存をしている拉致被害者すべての一日も早い早期の帰国、そしてまた真相の究明と、そして容疑者、はっきりしている容疑者の引渡しを要求をしたわけであります。今回の先方のこの拉致問題における対応が残念ながら不十分な対応であったと、このように思います。誠意があった対応であったかといえばそうではなかったというふうに言っていいと、このように思います。
しかし、今正にまだ、次の協議を行うということについては先方もこれは約束をし、そしてまたその場において懸案事項であるこの拉致問題についても議論をするということも了解をしている。また、六者協議の場においても日朝の協議が行われたわけでありまして、今、六者協議もいったん中断をしているわけでありますが、次回の会合が開かれるという中にあっては正にまだこの交渉は継続中であるというふうに考えているわけでありまして、大切なことは結果を出さなければならないということでございまして、制裁それ自体が目的ではなくて、要はこの拉致問題を解決をするということが目的であると。その中で対話と圧力という姿勢でずっと対応、交渉をしてきたわけでありますが、次回の会合においては、次回の協議においては北朝鮮は必ず誠意ある態度を、対応を取らなければならないと、こう考えているわけでありまして、その今委員の御指摘の、圧力を掛ける、更なる圧力を掛けるタイミングについては政府においてしっかりと検討をし、そして結果を出せる対応を、またタイミングをとらえて対応していかなければならないと、こう考えております。
○国務大臣(麻生太郎君)
末松委員おっしゃるように、この問題を解決していくための手段というものは、これは政府としては一貫して対話と圧力であろうと存じます。これは基本的には変わっていないんだと存じます。
圧力、いろいろございますけれども、先ほど触れられました国連のいわゆる第三委員会におけるいわゆる総会におきまして初めて拉致という言葉がこの総会で正式に採用されるということは、国際世論というものを非常に気にいたします北朝鮮にとりましては大きな圧力の一つになったことだけははっきりしておると思っております。これを更に国連の総会で取り上げられるように今後、総会じゃない本会議か、総会か、本会議で正式に取り上げられるように私どもとしても引き続き努力をしていかねばならぬと思っております。
やっぱりこの対話と圧力というのを掛けるのは、やっぱりどのタイミングで掛けりゃ一番効果が上がるかというところが一番の問題点だと思っております。そのために、これ六者会合における核問題の話やら、またいろいろな日朝協議等々の様々な場において、どのタイミングでというのはこれ引き続き検討していかねばならぬところだと思っております。
拉致問題は、特に日本にとって、ほかの国、いわゆる韓国も四百何十人、今度はタイも出てきた、どこからも出てきたといろいろ話が出てきておりますので、私どもとしてはこれは極めて重大な話でありまして、日本と韓国だけの話じゃないことははっきりしましたので、そういったことを考えると、私どもとしては、今後この問題については、さらに現実としてうちだけの話じゃない、そんなことはないと言っておるわけですから、そんなことはないじゃないですかと言うことももちろんですけれども、ただ、私どもとしては、本来の目的はこの解決が目的ですので、圧力は単なる手段ということになろうと思いますので、初めに圧力ありきというわけではないのであって、問題解決されるための手段としてこの圧力というものをいかに有効に使うか、どのタイミングで使うかというのは、先ほど官房長官からの答弁にもありましたように、引き続きこの点につきましては、ちょっとどれをどの手段、タイミングでということにつきましては検討をしていかねばならぬところだと思っております。
○末松信介君
結果を出さなきゃならぬということを長官おっしゃいました。対話と圧力、これを二つを両輪に掛けてやっていかなきゃいけないと。
ただ、こういう外交を見ていましても、向こうが相互信頼とかいうことを決め付けて掛かってくるということに対して非常に憤りを感じるわけですよね。信頼という言葉を向こうが使って、向こうが決め付けてくると、これだけ誠実に日本が対応している、なぜだと、そういうことを思うわけなんですけれども。
経済制裁については今はやっていないと、できていないと。しかし、更に日本が苦しい状況になっても、まずそうは簡単に発動しないだろうと、結局はやらないんじゃないかと思い始めた国民、結構おられると思うんですよ。学識者でも、実際は不当な利益を得るためのいろんなルートはもう切られつつあるから、実際的にはもう経済制裁が始まっておると言ってもいいじゃないかという話もあると。貿易額においても、中国と韓国だけで、それは中国はもう一千億ぐらいになるんでしょうか、超えているんだと思うんですけれども、そういう面では日本の貿易額が第四位になってきて小さくなってきておると、そういう話等々もあるわけなんですけれども。
私は、やっぱり申し上げたいのは、もちろん結果を出さなきゃならぬのですけれども、やられて、言われて、日本の国家の値打ちというんでしょうか、日本のそういったこの問題に対する姿勢というのは何かの形できちっと対外的に明示しなきゃならないと。自民党のシミュレーションチームも、ある条件がそこを通ってしまえばもう完全に経済制裁の発動をするんだという、そういった仕組みづくりにも言及し始めております。
そういった点につきまして、是非ともに十分に御検討をこれからもいただきたいということを申し上げます。今の長官の考え方を今の私自身も支持は申し上げていきたいと思います。
随分もう時間がなくなってまいりまして、三問目につきましては先ほど外務大臣からお話がありましたので、一応了解をさせていただきたいと思います。
次は、拉致問題対策官の設置要求につきまして、政府は現在十一件十六人の拉致を認定しておりますけれども、実際にはこれよりはるかに多い拉致被害者がいることは容易に想像が付くわけでありますけれども、特定失踪者問題調査会では、特定失踪者のうち拉致の確率が高いと判断されたいわゆる千番台リストですね、三十四名の方を公表しております。しかし、警察の捜査が滞ってその全容が解明されていないわけであります。
このような状況の下で、来年度の概算要求において、警察庁の組織改正で拉致問題対策官を新設する要求がなされておりますけれども、この拉致問題対策官は拉致問題の解明にどのような役割を果たしていくのか、また新設によってどのような効果を期待しているのか、伺います。
○政府参考人(小林武仁君)
お答え申し上げます。
警察では、委員御指摘のように、これまで十一件十六名の北朝鮮による日本人拉致容疑事案というものを判断しておるわけであります。これら以外の拉致の可能性を排除できない事案というのも、これまた委員御指摘のように、そういった告訴、告発が今三十四件三十七名に対して出ておりますし、こういった事件の掘り下げというものを各都道府県警察が今鋭意進めているところであります。
警察庁におきましても、こういった各都道府県警察に対する指導、督励、こういったものをやはり専従的に行っていく必要があるのではないかと考えておるところであります。またさらに、関係機関あるいは関係の民間諸団体との調整を行うということもまた大切であります。
こういったことから、来年度組織要求におきまして、仮称ではありますが、拉致問題対策官というものを要求しているところでございまして、その実現に向けてこれからも努力してまいる所存であります。
○末松信介君
積極的な対応を、効果を期待申し上げます。
長官、どうぞ。
○国務大臣(安倍晋三君)
今警察庁の方から答弁させていただいたとおりでありますが、この拉致問題対策官を設置をするということは、警察がしっかりと対応していく、いわゆる特定失踪者も含めて、全国の県警がそれぞれ今努力をしているわけでありますが、警察庁として、網羅的に全国的に組織の中枢においてそれを対応していくという姿勢を示すという意味では私は非常にいい対応であると、このように思うわけでございますし、また、恐らく被害者の御家族の皆さん、またあるいは特定失踪者の御家族の皆さんは大変不安な状況というか、立場に置かれているわけでありまして、そういう意味においては私は必要性は大変高いのではないだろうかと、このように思います。
○末松信介君
大きな効果が現れるように期待を申し上げます。
最後の質問でございます。
拉致被害者に対する支援策でありますけれども、北朝鮮から帰国されました拉致被害者の方々は、御自身の御努力はもとより、政府や関係自治体の支援、また全国多くの支援者の温かい励ましによりまして、我が国での暮らしを着実に確立されておられます。他方、平成十五年一月に施行されました拉致被害者支援法には、施行後三年をめどに支援の実施状況について検討を行い必要な措置を講ずると、その旨規定をされております。
政府は拉致被害者の方々に、現在までの支援を踏まえ、今後どのような形で支援を進めていくのか、安倍官房長官の基本的な見解をお伺いいたします。
○国務大臣(安倍晋三君)
五人の拉致被害者の方々が御帰国をされましてから三年余りが経過をしたわけでありますが、それぞれの皆様は、地域の皆様の御協力等もあり、また御家族、御本人の大変な御努力もあり、日本での生活にだんだんと適応され、順調な歩みを続けておられるというふうに伺っているわけであります。
政府といたしましても、この支援法に基づきまして、これら拉致被害者の方々及び御家族の方々に対して各種の支援策を実施をしてきたところでありますが、本年三月には日本における永住の意思が正式に政府に伝えられたことを受けまして、四月からは拉致被害者等給付金の給付を開始をしたところでありまして、給付は五年続くことになっております。
今後の支援の実施に当たっては、しっかりと支援法が活用されますように、地元自治体とも緊密な連携を図り、また被害者の方々、御家族の方々の要望も伺いながら適切に対応をしていきたいと、このように思っております。
大切なことは、御家族、御本人の方々の意見をしっかりと私どもが伺って、この法律の精神が生かされるような方向に運用していくことではないかと、このように思っております。
○末松信介君
時間が参りましたので、以上で質問を終わります。
ありがとうございました。
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