第201回国会(通常国会)閉会に当たって

 1月20日から召集された第201回通常国会が150日間の会期を終え、6月17日、閉会いたしました。今国会冒頭、災害の復旧・復興と安全・安心の確保のための令和元年度補正予算が提出されましたが、その審議が行われた参議院予算委員会の初日は、中国武漢からのチャーター機第一便が我が国国民を乗せて帰国した日でもありました。今国会は、新型コロナウイルス感染症への対応、対策に明け暮れた国会となりました。
 思い出してもこの半年弱、地元に帰ることもできず、地元の議員や企業、団体の皆さんから、新型コロナウイルス感染症で沈む社会に対して、様々な電話を頂いてきました。家賃が払えない。賃料の補助はできないのか。従業員を守りたいが、雇用調整助成金の使い勝手が悪い。助成率を引き上げても日額上限額を引き上げなければ意味がない。そうした声を頂く一方で、各種法案の審議も進めていかなければならないというのが国対委員長の仕事です。苦悩する毎日でした。
 今月12日には、令和2年度二次補正予算が成立いたしました。一般会計の歳出総額31.9兆円、財政投融資を含めた財政支出は72.7兆円程度、さらに民間投融資を合わせた事業規模は117.1兆円程度となっております。私たち政治家が常に頭に叩き込んでおかなければならないのは、景気の動向です。1月から3月の実質GDPはマイナス0.6%、年率換算でマイナス2.2%、特に消費がマイナス0.8%と大きく落ち込んでいます。4月から6月は更に落ち込むことが懸念されます。このマイナスの数字が、様々な対策によりどの程度改善されていくか、しっかりと見定めなければなりません。
 今回の二次補正では、雇用調整助成金の日額上限が8,330円から15,000円に引き上げられるとともに、休業者自身が直接申請し受け取れる制度も創設いたしました。申請手続きの簡素化等も行われます。また、テナント賃料を最大半年支援する家賃支援給付金も創設されました。これらはこれまで強く求めてきたものであり、これにより多くの雇用や経営が守られるものと期待しております。
 新型コロナウイルス感染症、そしてそれを受けての緊急事態宣言により経済は大きく停滞し、対策には何よりもスピードが求められます。一人でも多くの方に、企業に、一日でも早く対策を届ける。その過程の中で、改めるべきは改めていく必要があります。持続化給付金やGoToキャンペーンの委託方法については様々なご指摘を頂いております。透明性を高めるなど見直すべきものは見直していくとともに、それによりスピードは失ってはなりません。
 二次補正を1日も早く成立させるその思いで野党とも交渉し、予算委員会の現場の理事とも話してきましたが、成立は12日となりました。断腸の思いではありますが、この新型コロナウイルス感染症という国難に当たり、与党だけで強引に事を進めることはできません。野党の皆さんにもできる限りご理解頂きながら、審議を進める必要があります。
 この二次補正成立により、今国会、当初予算と補正予算、合わせて4つの予算が成立いたしました。条約は16件中16件承認され、内閣提出の法案も60本中56本、成立率は93%、参議院に送られてきた法案は全て成立させることができました。国対委員長の最も重要な仕事は、予算案や法案等を会期内に成立させることです。関係各位のご協力に心から感謝申し上げます。
 給付金の申請をしたのにまだ届かない。遅い。事務所にも多くのご意見を頂いております。せっかく制度を作っても、必要な方々に届かなければ意味がありません。皆様方から頂きましたご意見を踏まえながら、対策が行き渡るよう力を尽くしたいと思います。引き続きご指導賜りますようお願い申し上げます。
令和2年6月18日
参議院議員 末松 信介

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