中国の防空識別圏設定について

中国の防空識別圏設定について
11月23日、中国国防部は、「東シナ海防空識別区」を設定し、当該空域を飛行する航空機に対し、中国国防部の定める規則を強制し、これに従わない場合は、中国軍による「防御的緊急措置」をとる旨を発表しました。
日本政府は、中国の動きは、予想していなかったようであります。しかし、現実に、中国側がこうした行動に及んだ以上、日本としては、厳しく対処しなければなりません。安倍総理も、参議院の決算委員会で、「現状を一方的に変更し、事態をエスカレートさせ、不測の事態を招きかねず、非常に危険だ」と表明されました。「中国による、力を背景とした現状の変更の試みには、我が国の領海領空を断固として、守り抜く決意で対応する」と述べられました。
日本は、「断固守る」と宣言しました。中国は、尖閣諸島に、有望な資源が見つかるや、領海法を1992年に制定して、尖閣諸島を我が領土と言い始めました。自分のものでもないのに、自分のものだと言い張って、自分のものになるのなら、これほど、安易で、身勝手で、楽なことはありません。
ただ、私が感じることは、中国が、この問題について、極めて計画的、組織的に仕掛けているということです。しかも、日本が、「理性ある国家」「究極の衝突は、避けるのは日本」ということを知った上での行動です。
改めて、申し上げる機会もありますが、私自身アメリカに行ってみて、米国から見た日中関係について、思うことがあります。2、3年前まで領土問題はないと考えていた、米国人、米国議会人が、今日、領土問題が存在するのではないかというように、錯覚するに至ったことです。中国の狙い通りであるかもしれませんが、日本も、積極的行動にでるべき時にあります。特に、世界に向けて、尖閣諸島は歴史的事実に鑑み、日本の領土であり、その上空は日本の領空であることを強く発信すべきです。
私は、好戦的であれ、という意味を申し上げているのではありません。あくまでも、中国に対して、自制を求めるということです。トラブルは絶対に避けなければなりません。
このたびのことで分かったこと
1,中国がこの10年の間に、防空能力を高めたこと
2,日本の出方を見ていること
3,米国の出方を見ていること。
  現場対応も含めて、日米の許容範囲を見ていることです。スクランブル対スクランブルで異常接近し、引いたら相手に屈したことを認めることになり、引かず大きなトラブルが発生することを危惧します。

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