阪神・淡路大震災では被災した多くの方が、住居などの生活基盤を破壊され、失いました。生活を立て直すために、自治体を通じて災害援護資金を多くの方が借りましたが、震災から22年経った今でも、その返済に苦しんでいる人がいます。
災害援護資金は、災害弔慰金法に基づき、全半壊世帯などに上限350万円を貸す制度で、原資は国が3分の2、都道府県か政令市が残りを負担し、市町村が貸し付け窓口になります。当時は、被災者がまとまった現金を手にできる唯一の公的支援でした。
しかし、年月を経て巨額の未返済が顕在化しました。神戸市内でも31,672人に対し、約777億円が貸し出されましたが、今年3月末段階で約32億円の未返済額が残っています。また、その多くが月千円単位で返す少額返済者です。
政府は、2006年、2011年、2014年、そして今年の計4回の支払期限の延長を重ねてきましたが、一昨年の4月、返済免除の要件を拡大し、これまで「借り主が死亡または重度障害で、連帯保証人も返済できない場合」などに限られていた要件を、破産者や生活保護受給者、少額返済者も自治体の判断で返済免除できることにしました。
災害援護資金の完済者・返済免除者・少額返済者数
