感染症対策と経済の両立

 10月1日から、Go to Eatキャンペーンのスタートや、Go to Travelキャンペーンの東京発着の追加など、新型コロナウイルス感染症と経済の両立を図る政策が始まりました。早速、先週末、観光地では多くの観光客が訪れたと報じられております。
 新型コロナウイルス感染症により、10月6日現在で、1,602人もの方々の命が失われました。感染対策には引き続き力を尽くさねばなりません。一方、8月だけで、1,849人の方々が自殺で命を落とされました。昨年同月比で15.7%も増えております。本年は7月までは昨年同月比で同程度、あるいは少ない水準となっておりましたが、8月は失業率も3年3ヶ月ぶりに3%台となり、さらに芸能人の方の自殺も出ており、今後、その影響も気がかりです。
 我が国の自殺者数は、1997年24,391人、それまでの20年以上、2万人前後で推移しておりましたが、1998年に32,863人に跳ね上がり、その後14年間、3万人台で高止まり致しました。1998年は、日本長期信用銀行や北海道拓殖銀行が経営破綻した年です。前年末には山一證券が自主廃業しております。1998年は4.1%と初めて完全失業率が4%台に上昇した年であり、2002年には5.4%となりました。経済の悪化が、自殺者数を毎年1万人増やしたと言われております。
 その後、自殺対策の取り組みを強化した結果、3万人台を割り、昨年は20,169人となりましたが、今回、1998年と同じ轍を踏む訳には参りません。10月26日から臨時国会が始まる予定です。感染症対策と経済の両立は議論の大きなテーマの一つになるはずです。また、年末に向けて予算編成や税制改正も始まっていきます。政治の最大の責務は、国民の命と暮らしを守ることです。取り残されるところがないよう注意も払いながら、感染症対策と経済の両立を図っていくために取り組んでいきたいと思っております。

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