第186回通常国会閉会にあたって

 1月24日から150日間、会期を延長することなく、6月22日で今年度の通常国会が閉会となりました。
 私も参議院外交防衛委員長として初めて臨んだ通常国会でしたが、委員会では、中国・韓国・北朝鮮・ロシアなどアジア近隣諸国との外交問題、TPP交渉、沖縄基地問題、エネルギー外交など、わが国の命運を決定付ける多くの課題が懸案に上がりました。また安倍政権が掲げる集団的自衛権の解釈変更も委員会の最大の論点の一つとなり、委員会審議・進行上、与野党が対立する場面も多くみられ、今国会の主戦場を差配した感慨があります。
 また、私が事務局長を務める瀬戸内海再生議員連盟による議員立法・瀬戸内法改正も、今国会の大きな取り組みでした。
 これまで瀬戸内法は規制のみを主目的としていましたが、国民にとって貴重な漁業資源の宝庫として、多様な海藻や魚介類が食物連鎖の中で大きく育ち、魚が産卵し稚魚が育つ藻場・干潟・砂浜・浅場を整備することで、多様な生物がイキイキと生きるために必要な多面的機能を最大限発揮する豊かな海に、瀬戸内海を再生させることが議員立法の主旨です。
 瀬戸内環境保全特措法成立40周年の節目、何としても後代に豊かな瀬戸内海を残したいとの、地元知事会や漁業関係者の切実な願いを受け、法案を自公共同提案の形で国会に提出いたしました。残念ながら今国会での成立はかないませんでしたが、引き続き次期国会での成立を目指して、閉会中も鋭意野党の皆さんとの調整を進めたいと思っています。
 法律ではもう一つ、地域医療・介護総合確保推進法案の成立についても、微力を尽くさせていただきました。この法案は、医療と介護の連携を強化し、高度な医療が必要な急性期から在宅医療・介護までの一連のサービスを、地域で一体的に受けられるようにすることを目指すと同時に、訪問介護や通所介護といった全国一律の予防給付事業を、地域支援事業として自治体の責任事業に移管し、民間企業、NPO、ボランティアなどへも門戸を開きます。
 少子高齢化が進む中、持続可能で安定的な社会保障制度の確立のため、どのように負担を分かち合うかが重要な論点となっています。なるべく国民負担の増加や偏在を緩和しつつ、適切な医療・介護を、サービスを必要としている方々に十分に提供できる体制を整えることが重要です。
 安倍政権も発足1年半を過ぎ、まさに正念場。消費増税後の景気対策、TPP交渉や集団的自衛権、エネルギー問題や社会保障問題など、様々な政策課題に直面しています。自民党が政権を失い、民主党政権を誕生させたのも、長期政権の驕りが国民の信頼を失わしめたことが原因です。
 今の議席の優位におごることなく、国民の安全と発展を真剣に考える責任政権与党の一員として、緊張感を持って謙虚に国民の声に耳を傾けながら、日々の国政活動に取り組んで参りたいと思います。関係各位の皆様の引き続きのご叱咤ご鞭撻を、よろしくお願い申し上げます。

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