平和安全法制の国会審議開始

 5月14日、平和安全法制が閣議決定され、本日27日、衆議院で実質審議がスタートしました。集団的自衛権の行使を容認し、自衛隊の国際的な役割を拡大するもので、日本の安全保障政策が新しいステージに進んだものと評価しています。
 私は、中国の軍備増強や北朝鮮情勢の不安定化など、国際情勢が緊迫化する中、国民と国家の安全を保障するため必要最小限の範囲に集団的自衛権が含まれるよう法律を改正することは、必要な決断だと思っています。
 中国の国防費は毎年10%超も伸び続け、10年後には日本の7倍近くになるとの試算もあります。また北朝鮮は、核兵器とミサイルの高性能化を進め、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験の成功も公表するなど、ますます軍備増強の途を辿っています。
 国際情勢は目下、日本単独で自国の安全を確保するのが困難な状況になってきている現実を、直視しなければならないと思います。
歯止め3原則
 しかし、いまだ国民の皆様の間では、法案に対する懸念や不安があることも痛感しています。しっかりとした説明責任が政治に求められていると思います。同時に、集団的自衛権行使の歯止めについても、しっかりと確保することが重要だということも、私はかねてより主張して来ました。
 大前提として、法案では集団的自衛権の行使について、「わが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」、いわゆる「存立危機事態」だけに限定しています。
 更に、具体の自衛隊の海外活動に際しても、(1)国連決議、(2)国会承認、(3)自衛隊の安全確保、の3点を原則として義務付けることとなりました。
 国際平和支援法案の第6条では、「首相は、対応措置の実施前に、基本計画を添えて国会の承認を得なければならない」と規定されました。自衛隊が多国籍軍への後方支援を行う際、この規定により、首相は必ず事前に国会の承認を得なければならなくなります。
 同時に国会も、首相から承認を求められた場合、「休会中の期間を除いて7日以内に、それぞれ議決するよう努めなければならない」との努力義務が定められました。
 この国会の事前承認については、私もかねてよりホームページ上などで主張してきました。
(参照:2014年10月7日『提言 集団的自衛権発動には国会の事前承認を』http://suematsu.org/proposals/detail/1768
 その中で、私は「国会がただの『追認機関』になり下がることは、政府の安全保障政策そのものの民主的正統性をも危うくし、そして何より戦地に赴く自衛隊員の命に、議会民主制が関与しないという結果をもたらすことになります」と主張していました。
 今回法案に、歯止めとして「国民の理解と民主的な統制」たる国会の事前承認が明記されたことは、大いに評価できると思います。
自衛隊員の安全確保
 また自衛隊法の第52条では、自衛隊員の服務として「事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に努め、もつて国民の負託にこたえること」とされており、続く第53条で、隊員はその服務の宣誓をしなければならない旨が定められています。
 そうした、命を捨てる覚悟を予め宣誓して職務に臨んでいる自衛隊の隊員の皆様に対し、政治が彼らの命と安全を守るために責任を持つのは、とても重要なことです。
 このことも私はかねてから主張していましたが、今回の法案の第9条で「防衛相は、対応措置の実施に当たっては、自衛隊の部隊等の安全の確保に配慮しなければならない」との旨が明記されました。このことも、大きな前進と評価したいと思います。
 これから国会でも議論が活発化すると思いますが、私も参議院外交防衛委員長、筆頭理事を過去務め、現在もなお委員として所属する立場として、しっかりと意見を申し上げて行きたいと思います。
 同時に、やはり国民の皆様の理解が一番重要ですので、しっかりと党や国会を通じて、説明責任を果たすべく努力して参りたいと思います。

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